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title: '吟醸酒の定義〜丁寧に磨いた米で造る日本酒〜'
description: '吟醸酒とはどんな日本酒か、定義・味わい・楽しみ方をわかりやすく解説。精米歩合60%以下の白米で丁寧に醸される吟醸酒の条件から、華やかな吟醸香が生まれる仕組み、おすすめの飲み方まで、この記事を読めば自分好みの一本が選べるようになります。'
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# 吟醸酒の定義〜丁寧に磨いた米で造る日本酒〜

> 吟醸酒は、精米歩合60%以下まで磨いた白米を使い、低温でじっくり発酵させる吟醸造りで仕上げた日本酒です。華やかでフルーティーな吟醸香と、雑味の少ない軽やかな飲み口が最大の魅力です。この記事では吟醸酒の定義から味わいの特徴、楽しみ方まで解説します。初めての一本選びで迷っている方も、自分好みの吟醸酒が見つかるかもしれません。

## 吟醸酒とは

吟醸酒は、清酒の製法品質表示基準（平成元年国税庁告示第8号）で定められた特定名称酒の一つです。精米歩合60%以下まで磨いた白米を使い、吟味して製造した清酒で、固有の香味及び色沢が良好なものが吟醸酒を名乗れます。華やかでフルーティーな吟醸香と、雑味の少ない軽やかな飲み口が特徴です。

吟醸酒の歴史は、品評会への出品酒として始まりました。1933年に竪型精米機が登場したことで精米歩合60〜50%が可能になり、香りの高い酒を造る道が開けました。1953年頃にはリンゴやバナナのような香りを生む協会9号酵母が見いだされ、吟醸造りの品質が大きく向上しました。しかし当時の吟醸酒はごく少量しか造られず、市販はされていませんでした。1975年頃から市販が始まり、1982年に吟醸酒ブームを迎えたことで一般に広く知られるようになりました。1990年に清酒の製法品質表示基準が適用され、吟醸酒の表示条件が正式に定められて現在に至ります。

![吟醸酒は1933年に竪型精米機が登場して精米歩合60〜50%が可能になったことから始まり、1953年頃には協会9号酵母が見いだされて品質が向上、1975年頃から市販が始まり、1982年に吟醸酒ブームを迎え、1990年に清酒の製法品質表示基準で表示条件が正式に定められた](/_emdash/api/media/file/01KT0T5J9P9ZBJCBV9ZC8K7CGF.webp)

## 製法品質表示基準が定める吟醸酒の条件

吟醸酒の条件は、清酒の製法品質表示基準により以下のように定められています。

- 精米歩合60%以下の白米、米こうじ及び水、又はこれらと醸造アルコールを原料とすること
- 醸造アルコールを使用する場合は、白米の重量の10%以下であること
- 吟味して製造した清酒であること
- 固有の香味及び色沢が良好であること

醸造アルコールを使わず白米・米こうじ・水のみで仕上げた場合は「純米吟醸酒」の名称を用いることができます。どちらも吟醸造りである点は共通しており、区別されるのは醸造アルコール添加の有無です。

## 吟醸酒を形づくる三つの要素

吟醸酒の個性は、精米・吟醸造り・吟醸香という三つの要素で成り立っています。ここではそれぞれの意味と役割を解説します。

### なぜ精米歩合60%以下にするのか

精米歩合60%以下とは、玄米の外側を40%以上削り落とした白米を使用することを指します。なぜ外側を削るかというと、米の外層にはタンパク質や脂質といった、日本酒にとって雑味の原因になる成分が多く含まれているためです。タンパク質は発酵の過程でアミノ酸に分解されると苦味などの雑味をもたらし、脂質は吟醸香の生成を妨げてしまいます。外層を大きく削り落としてでんぷん質の多い中心部を使うことで、クリアで華やかな酒質が得られるため、吟醸酒では精米歩合60%以下という条件が定められています。

味わいとしては苦味や雑味が減りすっきりとした飲み口になりますが、精米歩合60%の吟醸酒はコクや芳醇さも残っており、大吟醸酒ほど繊細ではないぶん、味わいの幅広さがあります。

### 吟醸造りとは

吟醸造りとは、吟味して醸造することをいいます。伝統的にはよりよく精米した白米を低温でゆっくり発酵させ、特有な芳香を有するように醸造する方法が広く用いられています。清酒の製法品質表示基準では具体的な温度や期間までは規定されていませんが、一般的な清酒造りよりも低い温度で長い期間をかけて発酵させるのが特徴です。一般的な清酒造りでは最高温度を15〜16℃程度まで上げ、もろみ日数は24日程度とされていますが、吟醸酒では5〜10℃前後の低温で28〜35日、長い場合は40日ほどかけて発酵させます。

低温環境では酵母がゆっくりと働き、高精白米によって栄養分が制限された条件と合わさることで、発酵途上で多くの高級アルコールが生成されます。これらが酸と結合してカプロン酸エチルや酢酸イソアミルといったエステルになり、リンゴやバナナを思わせるフルーティーな吟醸香が生まれます。低温で時間をかけて発酵させることで雑味も少なくなり、すっきりとした味わいに仕上がります。

一方で低温発酵は酵母にとって負担が大きく、途中で発酵が止まってしまうリスクも抱えています。蔵ではもろみの温度・比重・成分を定期的に分析しながら、微調整を重ねて仕上げていきます。吟醸酒が高価格帯で扱われる背景には、この手間と失敗リスクの大きさがあります。

### 吟醸香の正体

吟醸酒のフルーティな香りは一般に「吟醸香」と呼ばれます。その正体は、主にカプロン酸エチルと酢酸イソアミルという2種類のエステル化合物です。それぞれ香りの方向性が異なり、銘柄ごとの個性を決める大きな要素になっています。

| 香気成分 | 香りの特徴 | 例えられる果実 |
| --- | --- | --- |
| カプロン酸エチル | 甘く華やかな果実香 | リンゴ、洋なし、パイナップル |
| 酢酸イソアミル | 軽やかで爽やかな果実香 | バナナ、メロン、洋なし |

これらのエステルはそれぞれ異なる代謝経路で生成されます。カプロン酸エチルは酵母の脂肪酸合成経路から生まれ、酢酸イソアミルはアミノ酸合成経路から生まれます。いずれも発酵温度が高いと揮発して失われやすく、生成量自体も減ってしまうため、吟醸造りの低温長期発酵がこれらのエステルを最大化する鍵となっています。

使用する酵母も香気生成量を大きく左右します。代表的なのが協会9号\(熊本酵母\)や協会1801号といった「吟醸酵母」です。これらはカプロン酸エチルを豊富に生成する性質があり、現代の吟醸酒の多くで採用されています。

吟醸香は味わいにも直接影響します。カプロン酸エチルが多い銘柄はリンゴのような甘くふくよかな印象になり、酢酸イソアミルが強い銘柄はバナナのような軽やかで爽やかな印象になります。どちらのエステルが優勢かによって、同じ吟醸酒でも飲んだときの印象が大きく変わります。

![ワイングラスに注がれた淡い黄金色の吟醸酒に柔らかな窓辺の光が差し込む静かな情景](/_emdash/api/media/file/01KT0T5J9JVV13SVCHVWA4NF5D.webp)

## 吟醸酒の楽しみ方

吟醸酒は華やかな香りが命なので、温度と料理の組み合わせひとつで印象が大きく変わります。

吟醸香を楽しむなら、花冷え（10℃）から涼冷え（15℃）あたりの温度帯がおすすめです。冷蔵庫から出してしばらく置いたくらいの温度で、エステル香が立ち上がりながら米の旨味も舌にしっかり残ります。ワイングラスに注ぐと香りがグラスの中で立体的に広がり、吟醸酒の個性をもっとも豊かに味わえます。

一方、5℃以下まで冷やしすぎると香りが控えめになり、吟醸香を十分に楽しめなくなります。逆に燗をつけると温度上昇によって酒全体の甘さが強まり、香りの強さと相まって甘ったるい印象になることがあります。純米吟醸酒のなかにはぬる燗で花開くタイプもありますが、醸造アルコール添加の吟醸酒は冷やして飲むのが基本になります。

料理との相性では、濃い味付けは避けたいところです。吟醸香は繊細なので、甘辛い煮付けやスパイスの効いた料理と合わせると香りが料理に負けて消えてしまいます。白身魚の刺身、塩で食べる天ぷら、薄味の炊合せといった、素材の味を活かしたシンプルな料理が吟醸酒の華やかさを引き立てます。

## まとめ

吟醸酒の個性は、精米・吟醸造り・吟醸香という三つの要素が重なり合って生まれます。米の外層を40%以上削って雑味のもとを取り除き、低温でゆっくり発酵させることでカプロン酸エチルや酢酸イソアミルといったフルーティーなエステルが引き出されます。この繊細な香りを堪能するには、冷蔵庫から出してしばらく置いた10〜15℃程度の温度帯がちょうどよく、素材の味を活かしたシンプルな料理との組み合わせが香りを引き立てます。温度と料理の組み合わせを変えながら、ぜひ吟醸酒ならではの華やかさを味わってみてください。他の日本酒の種類も知りたい方は「[特定名称酒で知る日本酒の種類](https://sakepo.com/columns/sake-types-guide)」をご覧ください。

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Source: <https://sakepo.com/columns/sake-ginjo>