ワインコルクを開けるときの基本の流れ

道具が違っても、ワインコルクを開ける手順の基本は共通です。ボトル口を覆うキャップシールを切り、露出したコルクの中心にスクリューを差し込み、ゆっくり引き抜く、という流れになります。

キャップシールはボトルネックの出っ張りの下でぐるりと刃を入れて切り取ります。出っ張りの上で切ると、残ったシールの表面に付着した汚れにワインが触れて衛生的でなく、注ぐときに液垂れの原因にもなるため避けてください。

スクリューをコルクに差し込む際は、中心を狙うことが大切です。先端をわずかに斜めにしてコルク表面に食い込ませ、1〜2回転したら垂直に立て直してそのまままっすぐねじ込んでいきます。中心から外れて斜めに入ると、途中でコルクが割れやすくなります。

ワインコルク抜栓はボトルネックの出っ張り下でキャップシールを切り、スクリューをコルクの中心に最初やや斜めに入れてから垂直に立て、ソムリエナイフでゆっくり真上に引き抜くという3ステップで進める

道具を使って開ける

ワインコルクを抜くための道具は複数ありますが、家庭で使われることが多いのはソムリエナイフ、ウイングコークスクリュー、スクリュープル型、レバー式、電動ワインオープナーの5種です。それぞれ仕組みや扱いやすさが異なるため、自分に合った道具を選んでください。

このほかにT字型コークスクリューやエアポンプ式もありますが、T字型はコルクを真上に引き抜くために腕力が必要で初心者には失敗しやすく、エアポンプ式は空気を送り込む量の加減がつかみにくいため、いずれも慣れた人向けの道具です。

ソムリエナイフでの開け方

ソムリエナイフは小型の刃・スクリュー・テコ用のフックが一本にまとまった折りたたみ式の道具で、プロのソムリエが現場で使う道具です。慣れれば多くのコルクに安定して対応できるため、家庭でも1本持っておく価値があります。

まず刃を起こし、ボトルネックの出っ張りの下側に刃を当てます。ボトルは固定したまま、ナイフのほうを動かして半周切れ込みを入れ、持ちかえてもう半周切り込みを入れます。ボトルを回すと澱が舞う原因になるため避けてください。切り取ったキャップシールは捨て、露出したコルクの表面を軽く拭いてください。

続いてスクリューを起こし、先端をコルクのほぼ中心に押し当てます。スクリューを寝かせた状態から先端を食い込ませ、1〜2回転したら垂直に起こしてそのまままっすぐねじ込んでいきます。

スクリューを回していき、コルクの上面から螺旋が1巻き分だけ見える位置で止めます。貫通させるとコルクくずがワインに落ちるので、入れすぎに注意してください。

フックの先端をボトル口に引っ掛け、ソムリエナイフの柄を上に持ち上げるようにしてコルクを引き上げます。フックが2段の製品であれば、まず1段目のフックで半分ほど引き上げ、2段目に掛け替えてもう一度持ち上げてください。1段の製品はそのまま引き上げます。

コルクが残り5mmほどになったら、フックを外して手でコルクをつかみ、左右に小さく揺すりながら静かに引き抜きます。勢いよく抜くと「ポン」と大きな音が鳴り、ワインが飛び出すことがあります。

ウイングコークスクリューでの開け方

ウイングコークスクリューは、スクリューをコルクに差し込むと左右の羽根が持ち上がり、その羽根を下ろすことでコルクを引き抜ける構造の道具です。内部のラック・アンド・ピニオン機構がスクリューの回転を羽根の動きに変換し、羽根がテコの役割を果たすため、力に自信がない人でも扱いやすいのが特徴です。

製品によってはキャップシールを切るカッターや栓抜きが頭部に付いていますが、付いていない場合は別の刃物かフォイルカッターであらかじめキャップシールを切り取っておいてください。

本体中央のリングをボトルの口にかぶせ、スクリューの先端をコルク中心に当てます。中央のつまみを時計回りに回すと、スクリューがコルクに沈み込むと同時に左右の羽根が斜め上に持ち上がっていきます。羽根が水平近くまで上がったら、それ以上つまみを回す必要はありません。

次に、持ち上がった左右の羽根を両手でゆっくり下げます。羽根が下りるにつれてコルクが引き上げられ、ボトル口から出てきます。羽根を最後まで下ろし切るとコルクがほぼ完全に抜けた状態になるので、あとは本体を軽く上に持ち上げれば抜栓完了です。

勢いよく羽根を下ろすとコルクが一気に抜けて中身が跳ねることがあるため、左右の手で均等にゆっくり下ろすようにしてください。

スクリュープル型での開け方

スクリュープル型は、アメリカの石油発掘技術者ハーバート・アレンが1979年に発売を開始したワインオープナーで、現在はル・クルーゼブランドとして販売されています。ボトル口にガイドをかぶせてハンドルを回すだけでスクリューが自動的にコルクを引き上げる「セルフプリング式」が特徴で、失敗がほとんどありません。

あらかじめキャップシールを切り取り、本体のガイド部分をボトル口にかぶせます。スクリューの先端がコルクの中心に当たっていることを確認してください。ガイドがスクリューをまっすぐ導くため、自分で中心を狙う必要はほとんどありません。

ハンドルを時計回りに回していくと、スクリューがコルクに沈み込んでいきます。そのまま同じ方向に回し続けると、途中からコルクが引き上げられ、ボトル口から抜けてきます。回す方向を変える必要がないのがこの道具の大きな利点です。

レバー式(ラビット式)での開け方

レバー式はボトル口に本体を固定し、レバーを上下させるだけでスクリューの挿入からコルクの引き抜きまでを一連の動作で行える道具です。操作が直感的で力もほとんど要らないため、初心者にも扱いやすい一方、本体が大きく価格も高めです。

あらかじめキャップシールを切り取ります。製品によっては付属のフォイルカッターが使えます。

レバーを上げた状態で本体のクランプ部分をボトル口に固定し、片手でしっかり握ります。

レバーを下ろすと、スクリューがコルクに差し込まれていきます。そのままレバーを上げると、コルクが引き上げられてボトルから抜けます。

コルクを外すには、本体をボトルから離した状態でレバーをもう一度上下させます。スクリューが逆回転してコルクが自動的に外れます。

電動ワインオープナーでの開け方

電動ワインオープナーはボタンを押すだけでスクリューの挿入からコルクの引き抜きまでを自動で行う道具です。数秒で抜栓でき、力もコツも要らないため、ワインを開け慣れていない人やパーティーで何本も開ける場面に向いています。電池式と充電式があり、多くの製品にフォイルカッターが付属しています。

付属のフォイルカッターでキャップシールを切り取り、本体をボトル口にまっすぐかぶせます。

下側のボタンを押すと、スクリューが自動で回転しながらコルクに入り、そのまま引き上げます。コルクが完全に抜けると自動で停止します。

抜いたコルクを外すには、上側のボタンを押します。スクリューが逆回転し、コルクが本体から外れます。

ダークウォルナットのテーブルに横一列に並んだソムリエナイフ・ウイング・スクリュープル・レバー式・電動の5種オープナー

道具がないときの代替手段

ワインオープナーが手元にない場合でも、家庭にある道具で代用できる方法がいくつかあります。ただし、いずれも専用の道具に比べるとコルクが崩れたりワインがこぼれたりするリスクが高いため、慎重に行ってください。

ネジとペンチで引き抜く

オープナーの代用としてもっとも確実な方法です。長さ3cm以上のネジをコルクの中心にドライバーでねじ込み、ペンチでネジの頭をつかんでゆっくり真上に引き上げます。左右に軽く揺すりながら持ち上げるとコルクが抜けやすくなります。ネジが短いとコルクをしっかりつかめず引き抜けないため、できるだけ長めのものを選んでください。

靴やタオルで叩いて押し出す

屋外でほかに道具がないときの緊急手段です。ボトルの底を厚手のタオルか靴のかかと部分にしっかり当て、コンクリートの壁や床に繰り返し打ちつけます。打ちつける衝撃で瓶内に気泡が生じ、コルクが少しずつ押し上げられます。コルクが1cmほど出てきたら、あとは手で引き抜けます。ボトルが割れる危険があるため力加減には十分注意してください。音や振動が大きいため、室内や集合住宅では避けてください。

コルクを瓶の中に押し込む

上記の方法がどれもうまくいかない場合の最終手段です。箸やスプーンの柄などでコルクを瓶の中に押し込みます。ワインは問題なく飲めますが、注ぐ際にコルク片がグラスに入りやすいため、茶こしやコーヒーフィルターで濾してから注いでください。

スパークリングワインのコルクの開け方

スパークリングワインのコルクは、普通のワインとはまったく違う手順で開けます。シャンパーニュなどの本格的なスパークリングワインでは瓶内に5〜6気圧の炭酸ガス圧が掛かっており、勢いよくコルクを飛ばすと怪我や周囲への被害の原因になります。開ける前に冷蔵庫で3〜4時間以上しっかり冷やしておくと、ガスの噴出が抑えられ安全に開けやすくなります。

コルクを覆っているキャップシールを、タブを引いて剥がします。

続いてコルクを押さえているワイヤーを緩めます。この段階からコルクにタオルやナプキンをかぶせ、その上から親指でしっかり押さえたままにしてください。ワイヤーが緩んだ瞬間にコルクが飛ぶことがあります。

ここからが最大のポイントで、コルクではなくボトルのほうをゆっくり回します。ボトルは斜めに傾けて持ち、コルクを片手でしっかり押さえたまま、反対の手でボトル底を持ってゆっくり回転させてください。斜めにすることで瓶内の液面が広くなり、泡の噴出が抑えられます。

内部のガス圧でコルクが自然に持ち上がってきたら、力を入れて引き抜くのではなく、コルクを押さえる力を少しずつ緩めていきます。最後にコルクをわずかに傾けて隙間からガスをゆっくり逃がし、静かに抜いてください。

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コルクを折らず失敗しないためのコツ

ワインコルクの抜栓で失敗する原因の多くは、コルクの状態の見落としにあります。道具の使い方を正しく守っていても、コルク自体が脆くなっていれば折れや崩れは起きます。

コルクが古い場合や乾燥している場合は、抜栓時に折れたりボロボロ崩れたりしやすくなります。ボトルを立てて保管していた期間が長いワインや、長期間保存されたヴィンテージワインは要注意です。

コルクが乾燥して固くなっている場合は、ボトルを1〜2日ほど横に寝かせてみてください。コルクにワインが染み込んで柔らかくなり、抜きやすくなります。

まとめ

ワインコルクの抜栓は、キャップシールを出っ張りの下で切り、スクリューをコルクの中心にまっすぐ差し込み、ゆっくり引き抜くという基本の流れを押さえておけば、どの道具でも応用できます。ソムリエナイフやウイングコークスクリューなど道具ごとに仕組みは異なりますが、自分の扱いやすさに合わせて選ぶのが失敗を減らす近道です。スパークリングワインはコルクではなくボトルのほうを回し、ガスをゆっくり逃がすのが安全に開けるポイントです。道具がないときはネジとペンチによる代用が最も確実なので、いざというときにぜひ試してみてください。これまでの方法でコルクが抜けないときやワイン自体の保存方法に悩んだときは「知っておきたいワインコルクの基礎知識5選」をご覧ください。