ワインの6つの種類

ワインはぶどうを原料にした醸造酒で、ぶどうの扱い方によって色も味わいも大きく変わります。色を決めるのは果皮の扱い方で、これによって赤・白・ロゼ・オレンジの4種類に分かれます。さらに製法の違いで分かれるスパークリングワインと、貴腐菌が関わる特殊な工程を経る貴腐ワインを加えた6種類が、市場で広く知られているワインの分類です。

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種類ぶどう製法味わいの方向性
赤ワイン黒ぶどう果皮・種ごと発酵赤・ガーネットタンニンの渋みとコク
白ワイン主に白ぶどう果汁のみ発酵黄緑〜金色爽やかな酸味と軽い飲み口
ロゼワイン主に黒ぶどう果皮と短時間接触淡いピンク果実味とフレッシュな酸味
オレンジワイン白ぶどう果皮・種ごと発酵琥珀色渋みと複雑な香り
スパークリングワイン白・黒ぶどう発酵やガス注入で泡を生む多彩泡と爽快な飲み口
貴腐ワイン白ぶどう貴腐菌で糖度を凝縮濃い金色濃厚な甘みと複雑な余韻

赤・白・ロゼ・オレンジの4種類は、果皮をどう扱うかで色と味わいが決まります。スパークリングワインはこの4種類とは別の軸で、赤・白・ロゼ・オレンジのいずれにもスパークリングが存在し得ます。貴腐ワインは白ぶどうから造る白ワインの一種ですが、貴腐菌が関わる特殊な工程を経るため独立した種類として扱われています。

オークのテーブルに並んだ紫黒色の黒ぶどうと金緑色の白ぶどうの房

果皮の扱い方で分かれる4つのワイン

同じぶどうでも、果皮と接触させる時間や使うぶどうの色で、仕上がりはまったく別物になります。ここでは4種類それぞれの特徴を簡潔に紹介します。

赤ワイン

赤ワインは、黒ぶどうを果皮と種ごと発酵させて造るワインです。果皮には赤い色素のアントシアニンと、渋み成分のタンニンが含まれています。これらが果汁に溶け出すことで、独特の渋みとコクが生まれます。

使われるぶどうによって味わいの幅は広く、カベルネ・ソーヴィニヨンのような力強い品種もあれば、ピノ・ノワールのような繊細な品種もあります。渋みの強さで選ぶならボディの違いが目安になります。

詳しくは「赤ワインを知る〜タンニンが生む渋みとコク〜」で解説しています。

白ワイン

白ワインは、主に白ぶどうの果汁のみを発酵させて造るワインです。果皮や種を早い段階で取り除くため、渋み成分がほとんど含まれません。爽やかな酸味と軽やかな飲み口が特徴です。

シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなど品種ごとに香りの個性が豊かで、辛口から甘口まで味わいの幅も広いです。ボディと甘辛度で味わいの傾向が整理できます。

詳しくは「白ワインを知る〜爽やかな酸味と軽やかな飲み口〜」で解説しています。

ロゼワイン

ロゼワインは、主に黒ぶどうの果皮と果汁を短時間だけ接触させて造るワインです。色をどうやって付けるかが製法のポイントで、セニエ法、直接圧搾法、混醸法、ブレンド法の4つがあります。どの製法を選ぶかで色の濃さや味わいの傾向が変わります。

フランスのプロヴァンスやタヴェルが代表的な産地で、軽やかな果実味とフレッシュな酸味が魅力です。色の濃淡と甘辛度で味わいの傾向が変わるのもロゼならではの特徴です。

詳しくは「ロゼワインを知る〜独自の製法が生む淡い色と果実味〜」で解説しています。

オレンジワイン

オレンジワインは、白ぶどうを果皮と種ごと発酵させて造るワインで、第4のワインとも呼ばれています。赤ワインと同じ製法を白ぶどうに適用したもので、琥珀色の色合いと渋みが生まれます。

発祥は約8,000年前のジョージアとされ、1990年代後半にイタリア北東部フリウリの生産者を中心に再発見されました。醸しの期間によって色や渋みの強さが大きく変わるのがオレンジワインの特徴です。

詳しくは「オレンジワインを知る〜白ぶどうの醸しが生む独特の色と渋み〜」で解説しています。

発泡性で分けるスパークリングワイン

スパークリングワインは、炭酸ガスを含んだ発泡性のワインの総称です。泡を生み出す製法は複数あり、瓶内で二次発酵させるトラディショナル方式と、大型タンクで二次発酵させるシャルマ方式が代表的です。製法の違いによって泡のきめ細かさや香りの複雑さが大きく変わります。

甘辛度はドサージュと呼ばれる糖分調整で決まり、辛口のブリュットが最も流通量が多く、食中酒として万能に使えます。シャンパーニュ、カヴァ、プロセッコなど産地ごとに製法や品種の規定が異なるため、産地名がそのまま味わいの目安になります。

詳しくは「スパークリングワインを知る〜発泡が生む爽快な飲み口〜」で解説しています。

糖度を凝縮する貴腐ワイン

貴腐ワインは、貴腐菌(ボトリティス・シネレア)が付着した白ぶどうから造られる極甘口のワインです。貴腐菌はぶどうの果皮の蝋質を溶かし、そこから水分が蒸発することで糖分や酸、香気成分が凝縮されます。この凝縮されたぶどうを搾って発酵させることで、蜂蜜のような濃厚な甘みと複雑な香りが生まれます。

世界三大貴腐ワインと呼ばれるのは、フランスのソーテルヌ、ハンガリーのトカイ、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼです。いずれも貴腐菌の発生に適した気候と熟練した手摘み収穫が欠かせないため、生産量は非常に少なく希少性の高いワインとして扱われています。

詳しくは「貴腐ワインを知る〜貴腐菌が生む濃厚な甘みと複雑な味わい〜」で解説しています。

木のテーブルに並ぶ赤・白・ロゼ・オレンジの4色のワイングラスに夕方の光が差し込む

自分に合ったワインの選び方

ワインを飲み慣れていない方は、白ワインかスパークリングワインから始めるのがおすすめです。白ワインは渋みがなく軽やかで、辛口を選べばすっきりと飲めます。スパークリングワインも泡の爽快さが飲みやすさにつながるため、最初の1杯に向いています。

渋みのある味わいが好きなら赤ワイン、果実味とフレッシュさを楽しみたいならロゼワインが合います。白ワインでは物足りないけれど赤ワインほどの渋みは求めていない、という方にはオレンジワインがちょうどいい選択肢です。

普段の食事に合わせるなら、白ワインやロゼワインは幅広い料理に対応できます。パーティーや乾杯の場面にはスパークリングワイン、食後にゆっくり過ごしたい場面には貴腐ワインが定番です。

まずは気になった1本を手に取って、そこから少しずつ種類を広げていくのがワインを楽しむ一番の近道です。各種類の詳しい楽しみ方は、それぞれの個別記事で解説しています。

まとめ

ワインは、ぶどうの果皮をどう扱うかで赤・白・ロゼ・オレンジの4種類に分かれ、発泡性のスパークリングワインと貴腐菌を経る貴腐ワインを加えた6種類が広く知られている分類です。タンニンの渋みとコクが魅力の赤、爽やかな酸味と軽い飲み口の白、果実味とフレッシュさを兼ね備えたロゼ、渋みと複雑な香りを持つオレンジと、果皮の扱い方ひとつで味わいの方向性は大きく異なります。さらにスパークリングワインの泡が生む爽快さや、貴腐ワインの濃厚な甘みまで含めれば、選択肢は実に豊かです。気分や食事のシーンに合わせて、まずは気になった一本から試してみてください。