友情にまつわるカクテル言葉の世界

友情をテーマにしたカクテル言葉は数こそ多くないものの、知られているものがいくつかあります。友人との会話や関係、仲直りといった場面に寄り添う言葉が、いくつかのカクテルに添えられています。

ただしカクテル言葉は花言葉のように辞典で厳密に定義されているものではなく、書き手によってニュアンスが揺れることがあります。一つのカクテルに複数の解釈が並立していることも珍しくなく、本記事ではその中から友情を感じさせる意味合いのものを取り上げています。

カクテル言葉の成り立ちについては「カクテル言葉という文学〜グラスに宿るロマン〜」で詳しく解説しています。

友情にまつわるカクテル言葉一覧

友情のカクテル言葉には、友人との何気ない時間を映すものから、仲直りの場面に合うものまで幅があります。自分の気持ちに近い一杯を見つける手がかりとしてまとめました。カクテル言葉で選ぶにしても実際に飲む一杯なので、ベースのお酒と飲み口も参考として添えています。

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カクテルカクテル言葉ベース飲み口
インペリアル・フィズ楽しい会話ウイスキー中口
ウイスキーフロート楽しい関係ウイスキー辛口
アイスブレーカー打ち解けるテキーラ中口
モスコミュールケンカしたらその日のうちに仲直りウォッカ中口

4杯ともタンブラーやオールドファッションドグラスで提供されるロングスタイルのカクテルです。氷を入れたグラスで時間をかけて飲むスタイルなので、急いで飲み干す必要がなく、友人との会話を楽しみながらゆっくり傾けるのに向いています。飲み進めるうちに氷が溶けて味わいが変化していくのもロングカクテルならではの楽しみで、一杯で長い時間を過ごせます。

夜のバーで友人たちがカクテルを掲げて乾杯する温かな灯りに包まれた手元

インペリアル・フィズ「楽しい会話」

インペリアル・フィズは、ウイスキーとホワイトラムにレモンジュースとシロップを加えてシェイクし、ソーダで満たすロングカクテルです。カクテル言葉は「楽しい会話」です。

カクテル言葉の由来について明確な記録は見つかっていません。一方、名前の「インペリアル」は「皇帝の」「最上級の」という意味です。「フィズ」はスピリッツにレモンジュースと甘味を加えてシェイクし、ソーダで割るカクテルスタイルの総称で、代表格のジンフィズをはじめ多くのバリエーションがあります。インペリアル・フィズはベースにウイスキーとホワイトラムの2種類のスピリッツを使う点が特徴で、フィズの中でも最上級の一杯とされています。

味わいはウイスキーの芳醇な香りにラムの甘み、レモンの酸味が加わり、ソーダの炭酸がすっきりとした後味にまとめています。アルコール度数は約17度で、ハイボールに近い雰囲気ながら、ラムとレモンが加わることで複雑で華やかな味わいに仕上がっています。

ウイスキーフロート「楽しい関係」

ウイスキーフロートは、グラスの水の上にウイスキーを浮かべた二層のカクテルです。カクテル言葉は「楽しい関係」です。

カクテル言葉の由来について明確な記録は見つかっていません。一方、名前の「フロート」は「浮かべる」という意味で、ウイスキーと水の比重の差を利用して二層に分離させることに由来します。材料はウイスキーとミネラルウォーターだけで、バースプーンの背を伝わせてウイスキーを静かに注ぐことで美しい二層が生まれます。

味わいは一口目がストレートに近い濃厚な口当たりで、飲み進めるうちにロック、水割りへと変化していきます。一杯で3通りの味わいが楽しめるのがこのカクテルの特徴です。アルコール度数は約13度です。

アイスブレーカー「打ち解ける」

アイスブレーカーは、テキーラにホワイトキュラソーとグレープフルーツジュース、グレナデンシロップを加えてシェイクしたカクテルです。カクテル言葉は「打ち解ける」です。

「アイスブレーカー」は直訳すると「氷を砕くもの」で、砕氷器や砕氷船を意味しますが、転じて「場の緊張をほぐす」「打ち解ける」という意味でも使われます。このカクテル名の意味がそのままカクテル言葉になっています。

味わいはテキーラの個性的な風味をグレープフルーツの苦味とホワイトキュラソーの柑橘系の香りが引き立て、グレナデンシロップが甘さと色合いを整えたフルーティーで飲みやすい仕上がりです。アルコール度数は約19度です。

モスコミュール「ケンカしたらその日のうちに仲直り」

モスコミュールは、ウォッカをジンジャーエールで割りライムを搾ったロングカクテルです。カクテル言葉は「ケンカしたらその日のうちに仲直り」です。

カクテル言葉の由来について明確な記録は見つかっていません。一方、名前の「モスコミュール」は英語で「Moscow Mule」、直訳すると「モスクワのラバ」です。ウォッカの原産国であるロシアの首都モスクワと、ラバに後ろ脚で蹴られたようにガツンと効いてくる飲み口を掛けた名前で、1940年代にロサンゼルスの「コックンブル」でスミノフウォッカの販売促進をきっかけに広まったとされています。銅製のマグカップで提供するのが伝統的なスタイルです。

味わいはジンジャーエールの爽快な喉越しとライムの酸味が効いた、さっぱりとした飲み口です。アルコール度数は約10〜13度です。

まとめ

友情にまつわるカクテル言葉は数こそ限られるものの、友人と過ごすひとときを映すものから仲直りの夜に合うものまで、場面に合った意味がカクテルに添えられています。アイスブレーカーのようにカクテル名の意味がそのまま言葉になったものもあれば、由来が明確に記録されていないまま語り継がれてきたものもあります。4杯ともロングスタイルで、氷が溶けるにつれて味が変わり一杯で長い時間を過ごせるので、友人と話しながらゆっくり味わってみてください。他のカクテル言葉も知りたい方は「気持ちを伝えたい時に使えるカクテル言葉一覧」をご覧ください。