カクテルとは

カクテルは、ベースとなるお酒に別のお酒や果汁、炭酸、シロップなどを組み合わせて作る飲み物の総称です。ウイスキーをソーダで割るハイボールも、ジンにベルモットを合わせるマティーニも、どちらもカクテルに含まれます。ベースに何を選ぶか、何を加えるかに決まった制限はなく、組み合わせ次第で味わいは無限に広がります。国際バーテンダー協会(IBA)が公認するレシピだけでも102種、世界のバーやレシピサイトまで含めれば数千種にのぼります。

カクテルを選ぶポイント

カクテルを選ぶときにまず押さえておきたいのが、ベースとなるお酒の違いです。蒸留酒(ジン・ウォッカ・ラム・テキーラ・ウイスキー・ブランデー)をベースにしたカクテルは度数が高めになりやすく、醸造酒(ワイン・ビール・日本酒)ベースなら度数は控えめで食事に合わせやすく、リキュールベースはフルーツ系やクリーム系なら甘く飲みやすく、カンパリなどハーブ系なら苦味が前に出ます。まずはベースの傾向を知っておくと、メニューを見たときに選びやすくなります。

もうひとつ知っておくと便利なのが、ロングとショートの違いです。ロングカクテルは氷を入れたタンブラーで時間をかけて楽しむタイプで、ジントニックやモヒートが代表格です。ショートカクテルはカクテルグラスに氷を入れず、冷えているうちに味わうタイプで、マティーニやマルガリータが該当します。度数はロングなら5〜15度前後、ショートなら20〜35度前後が目安です。ゆっくり会話を楽しみたいならロング、短い時間で印象的な一杯を決めたいならショートと覚えておけば、バーで迷いにくくなります。

バーカウンターに並ぶ複数のベース酒と手前のカクテルグラスに灯る温かな照明

まずは定番から選ぶ

何を頼むか迷ったときは、長年飲み継がれてきた定番カクテルから選ぶのが手堅い方法です。定番はレシピが広く共有されており、どのバーテンダーも作り慣れているため、初めての店でも安定した味わいが期待できます。

たとえば、爽快で飲みやすいジントニックやモスコミュール、ミントの清涼感が心地よいモヒートはロングカクテルの定番です。もう少し度数を上げたいなら、キレのあるダイキリやマルガリータ、苦味と甘味が調和するネグローニがあります。じっくり味わいたい夜には、重厚なマンハッタンやオールドファッションド、辛口のマティーニが選ばれてきました。

定番カクテルについては、「王道を行く!ハズレなしの定番カクテル9選」で詳しく紹介しています。

飲みやすさ・甘さで選ぶ

お酒の強さが苦手な方やカクテル初心者には、フルーツやクリームの甘さが前に出るカクテルが入り口になります。カシスオレンジやファジーネーブルのようにフルーツリキュールをジュースで割るタイプ、カルーアミルクのようにコーヒーリキュールを牛乳で割るタイプが代表的で、度数は5〜6度前後に収まるものが大半です。甘みがアルコール感を包むため、ものによってはジュースに近い感覚で飲めます。

甘いカクテルについては、「お酒が苦手でも飲める!飲みやすくて甘いカクテル9選」で詳しく紹介しています。

大理石のカウンターに置かれた淡い金色のカクテルと繊細なレモンピールの装飾

名前の響きで選ぶ

カクテルには、味や度数だけでなく名前の響きで選ぶ楽しみ方もあります。名前の背景を知ると、同じカクテルでも印象が変わります。

かっこいい名前のカクテル

映画や歴史上の人物、乗り物にちなんだ名前は、響きに物語性があります。映画から命名されたゴッドファーザー、イタリアの伯爵に由来するネグローニ、冷戦時代に生まれたブラック・ルシアンなどが代表です。名前の由来を知っておくと、バーテンダーとの会話のきっかけにもなります。

かっこいい名前のカクテルについては、「Barで頼むとモテるかも!?かっこいい名前のカクテル8選」で詳しく紹介しています。

かわいい名前のカクテル

花や動物、天使や雪玉といった親しみやすいモチーフから名付けられたカクテルは、やわらかい響きと見た目のかわいさが特徴です。子猫を意味するキティ、花に由来するミモザ、雪玉を意味するスノーボールなどがあり、甘く飲みやすいレシピが多い傾向にあります。カクテルに慣れていない方の最初の一杯にも向いています。

かわいい名前のカクテルについては、「Barで頼むとモテるかも!?かわいい名前のカクテル8選」で詳しく紹介しています。

おしゃれな名前のカクテル

ヨーロッパの地名や言語を背景に持つ名前は、口にするだけで洗練された印象を与えます。ヴェネツィアの画家から名付けられたベリーニ、パリの大通りから取ったシャンゼリゼ、フランス語で「王家」を冠したキール・ロワイヤルなどが該当します。食前酒や食後酒の文化と結びついたものも多く、食事の流れに合わせて選ぶとより楽しめます。

おしゃれな名前のカクテルについては、「Barで頼むとモテるかも!?おしゃれな名前のカクテル8選」で詳しく紹介しています。

自分好みのカクテルの見つけ方

カクテルの種類を知っても、自分に合うものがどれかは飲んでみるまでわかりません。

まず、この記事の定番・甘さ・名前のどれか1つの切り口から気になるカクテルを選んで実際に飲んでみることです。最初の一杯は正解を探す必要はなく、自分の基準を作るための一杯と考えれば気楽に頼めます。

次に、飲んでみて気に入ったらそのカクテルのベースと味わいの方向を覚えておくことです。たとえばジントニックが好きなら「ジンベース・爽快・ロング」、カシスオレンジが好きなら「リキュールベース・甘口・ロング」という具合です。次にバーへ行ったとき、同じ方向のカクテルを試したり、バーテンダーに「前にジントニックが気に入ったんですが、似た系統で別のものはありますか」と伝えれば、好みに近い一杯を提案してもらえます。

逆に合わなかった場合も、何が苦手だったかを言葉にしておくと次につながります。「甘すぎた」「苦味が強かった」「度数が高すぎた」といった手がかりがあるだけで、バーテンダーは選択肢を絞りやすくなります。

まとめ

カクテルは数千種ありますが、ベースとなるお酒の傾向やロングとショートの違いを知っておけば、メニューの見え方が変わります。安定感のある定番を選ぶ、度数が低く甘口の一杯から入る、名前の響きが気になるものを頼んでみる——どこから始めても構いません。飲んでみて気に入れば、そのベースや味わいの傾向をバーテンダーに伝えることで、次は好みに近い別の一杯を提案してもらえます。合わなかった場合も、何が苦手だったかを伝えるだけで選択肢は絞られます。まずはこの記事で気になったカクテルをひとつ、実際に頼んでみてください。